column

西村 洸城

静けさを照らす

照明をただモノを照らすだけの道具だと思っていませんか?

 

実は、照明は空間そのものをつくる素材のひとつなんです。

光の在り方ひとつで、部屋の表情も、そこに流れる時間の質も変わっていきます。

 

例えば、庭木の影をリビングの床や壁に映し出すことで、外の自然と室内がそっと繋がります。

枝葉の揺らぎが淡く浮かぶ。そんな瞬間に光が室内と風景の橋渡しをしているように感じます。

 

吹抜けには、空間の象徴となる照明を吊り下げます。

包み込むようなその光は、明るさ以上に安心感を与え、空間の静けさを優しく支えてくれます。

 

 

 

 

 

 

光源を直接見せず、壁面を優しく照らす。

そうすると、側面には繊細な光のラインが生まれ、照明をつける前とは全く違った空間が立ち上がります。

 

 

 

 

 

 

照明をデザインするということは、単に光の明るさを決めることではありません。

どこに影を残すか、どんな光の気配をつくるかを考えることだと思います。

光があるからこそ、そこに静けさが生まれます。

 

そんな静けさのための光を意識しながら、照明をデザインしています。

 

 

 

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